1. そもそも「香害」や「化学物質過敏症」とは?
香害(こうがい)とは、柔軟剤や消臭スプレー、芳香剤、香水などの強い香りによって、周囲の人が体調不良を起こしてしまう問題を指します。香りの好みは人それぞれ異なり、特に人工的な強い香りは不快に感じる人も少なくありません。
また、化学物質過敏症(MCS:Multiple Chemical Sensitivity)は、微量の化学物質に過敏に反応し、頭痛・めまい・吐き気・皮膚トラブルなどの症状が出る疾患です。特に、柔軟剤や芳香剤、塗料、防虫剤などに含まれる成分が原因となることが多く、民泊の室内環境によっては体調を崩してしまうケースもあります。
つまり、「いい香りでおもてなし」=「すべてのゲストが快適」とは限らないということです。香りに敏感な人も快適に過ごせるよう、慎重に対応しましょう。
2. 民泊でできる香害&化学物質過敏症への配慮
① 人工香料を控えた清掃を心がける
清掃時に使う洗剤や消臭スプレーの香りが、ゲストにとっては強すぎることがあります。以下の対策を取り入れると、香りが苦手な人でも安心して宿泊できます。
・無香料・低刺激の洗剤やクリーナーを選ぶ(環境に優しいナチュラル系洗剤もおすすめ)
・アルコールや重曹、クエン酸を活用したナチュラルクリーニングを取り入れる
・強い香りの消臭スプレーは控え、換気や炭・重曹を活用した脱臭を行う
② 柔軟剤や芳香剤の使用を見直す
洗濯に使う柔軟剤や、部屋に置く芳香剤の香りが原因で不快に感じるゲストもいます。
・無香料・低刺激の洗濯洗剤を使う(特にシーツやタオル類)
・部屋の芳香剤は設置せず、自然な空気の流れを大切に
・ゲストが自由に使えるアロマディフューザーを設置し、香りを選べるようにする
③ アメニティの香りにも配慮する
シャンプーやボディソープ、ハンドソープの香りが強すぎると、使うのがつらいと感じるゲストもいます。
・無香料や自然由来の香料を使ったアメニティを選ぶ
・オーガニック系・低刺激の製品を用意し、選択肢を増やす
・「香りなし」のリクエストができるように、事前に案内する
④ 室内の換気と空気清浄を徹底する
換気不足や空気のこもりは、化学物質が滞留しやすくなり、過敏症の方にとっては負担となります。
・清掃時・チェックアウト後に窓を開けてしっかり換気する
・空気清浄機を設置し、化学物質の除去機能があるフィルターを活用する
・備品や家具に強い防虫剤や防カビ剤を使用しない
3. 「香りなし」でも快適に感じるおもてなしの工夫
香りを強調しなくても、心地よい空間は作れます。
ナチュラル素材を活用
・消臭には炭や重曹を活用(置くだけで自然に空気を清浄)
・リネン類は天日干しでふんわり清潔に
視覚・触覚でリラックスを演出
・清潔感のある白を基調とした寝具やインテリア
・肌触りのよいコットンやリネン素材のタオル
事前にゲストの希望を確認する
予約時に「無香料希望」のリクエストを受け付けることで、ゲストに合った対応ができます。
4. まとめ
民泊では「清潔でいい香りの空間」が大切ですが、すべてのゲストが香りを好むわけではないことを意識しましょう。特に、香害や化学物質過敏症の方にとっては、強い香りがストレスや健康被害の原因になることもあります。
香りに頼らず、自然な清潔感や心地よい環境づくりを意識することで、すべてのゲストにとって快適な空間を提供できるようになります。
「香り控えめのおもてなし」も、これからの民泊運営の大切なポイントの一つ。ゲストの健康と快適性を第一に考えた空間づくりを実践してみてはいかがでしょうか?
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